本棚とハンガーラックと

徒然、いたずら、着の身着のまま

内向型は悪いことじゃない?ー内向型を強みにするー

「私は内向的な性格だから…」

 

自分をそのように思っている人は、世界中にどれくらいいるのだろうか。

また、その性格に悩み苦しんでいる人も少なくないだろう。

 

自分もその一人であると自覚している。人付き合いというのがどうも苦手で、一人の時間を過ごすことにさほど孤独感を覚えない。休日に、誰かに会いに行きたいと思うこともほとんどない。何か発言しようと思っても尻込みしてしまう。

考えれば考えるだけネガティブな気分に陥る…。

 

この性格は悪いことなのか?世の中は、外向的でない人間には住み辛いものなのか?自分は外向的な人間に比べて、劣っているのか?

 

そんな疑問を抱きがちな人にお勧めなのがこの本。

心理療法士のマーティ・O・レイニーによる「内向型を強みにする」である。

 

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タイトルと表紙だけで、少し自分を肯定できそうな気分がする。

 

自分なりにこの本を噛み砕いてまとめてみると、

内向型であることは、単なる気質に過ぎないからねー。

誤解してるだけだからねー。性格をきちんと理解して、受け入れたらいいからねー。

 

こんな感じである(本書では、このような語り口調で書いているわけではないのでご安心ください。勝手に私が私の理解のために原型をとどめないぐらいよく噛み砕いただけです)。

 

今回は、本書の中で触れられている、内向型の特徴についてレビューしていく。自らの性格の特徴が理解できれば、卑下することもなくなるだろう。

 

 

内向型は内の世界からエネルギーを得ている

内向型の人にとって顕著な特徴がこのエネルギー源である。内の世界というのは、自分のアイデアや感情、イメージといった自分の内面的な刺激のことであり、この内の世界へ自らの興味は向けられている。そのため 外部からの刺激には弱く、世間との付き合い、アクティブな活動などにより、自分のエネルギーを著しく消耗してしまう。そこで、一人の時間をとることによって、エネルギー量のバランスをうまく維持していく必要がある。刺激の少ない環境がエネルギーを回復させてくれるのである。

エネルギー量をバランスよく維持している内向型の人には、忍耐力や自由な発想、不快集中力、創造性があると言われている。

内向型に対して、外向型の人はというと、外の世界がエネルギー源であり、外部でのさまざまな活動、人、場所からエネルギーを得ている。長時間のんびりしたり、一人の時間、一人を相手にしている時間を過ごしていると、刺激不足に陥る。合間合間に休憩をとり、活動的な時間とのバランスをとる必要はあるが、刺激不足を防ぐために外にでて、外の活動に参加したり、人と話したりするのである。

外向型の人は、気楽に自己表現をし、結果のみに集中し、人混みや活動を楽しむと言われれている。

 

内向型は刺激を避ける

 内向型と外向型は外部の刺激に対して感じ方が異なる。外向型の人は、多くのことを経験したがるのに対し、内向型の人は経験したことについて多くを知りたがる。精神活動の盛んな内向型の人の場合、刺激によって気持ちよく楽しいという感覚から、一気に過剰で不快だというところまでエスカレートしてしまう。そのため、自然と過剰な刺激を受けないように外からのインプットを制限している。例えば、内向型の人のエネルギーは、ただ人のそば(人混み、教室、騒がしい環境)にいるだけで消耗してしまう。会話をしたり、ひとしきり楽しんだりした後、その場を離れ一休みする必要がある。

外向型の人にとっても休憩は必要だが、それは目的が異なる。例えば、彼らが図書館で勉強しようとする場合、短時間しか集中モードでいられず、すぐに歩き回ったり、自動販売機に向かったり、スマホを触ったり...し始める。これが彼らにとっての休憩になる。彼らが好むのは何かが起こっている活気ある環境であり、内部の刺激不足を感じれば感じるほど燃料補給が必要になるのである。

休憩は、外向型の人の刺激を増し、内向型の人の刺激を軽減する効果がある。

 


 

 

内向型は狭く深く...

先ほども触れたが、内向型の人は、外からの刺激、経験を制限しようとする。しかし、その代わりにその一つ一つを深く感じようとする。交友関係が広くなくとも、親密な付き合い方をする。量よりも質を重視するのである。

外向型の人は、広さを好み、大勢の友達、たくさんの経験、全てについて少しずつ知ることを求める。こちらの場合は、質よりも量、経験をとにかく収集することで刺激、エネルギーを補充している。

 

 

以上、あっさりではあるが両性格の異なる3つの点について見てきた。この他にも脳のホルモン経路がそもそも違うということも本書では触れられている。また、人間は本来、外向きにも内向きにもなれる生理的能力を備えている(条件が整えば)というので面白い。

自分が少しでも内向型寄りだなと思う節があるのであれば、まずはそれが自分の性格だと受け止め、外向的な人は別の生き物だと割り切るぐらいがちょうどいいのかもしれない。とにかく、比べても意味がないということを理解することが重要であろう。